
2大腿骨転子部骨折(図2)
大腿骨頸部のやや下の部分(転子部)の骨折です。関節の袋の外側の骨折ですので、頸部外側骨折とよばれています。転倒して股関節の外側を直接打撲するとこの部分で折れ、歩行不能になります。この骨折はつきやすいので骨をつけるための手術が行われます。
痛みをとるため、すぐに下肢を牽引します。絆創膏と弾力包帯を用いた皮膚牽引と、骨に金属棒を通して行う直達牽引があります。牽引によって骨折のずれが整復されます。
普通は圧迫ネジ固定とか動的ネジ固定といった特殊な器具による内固定術が行われます。この器具の開発によって、以前より早く歩行訓練を始めることができるようになりました。普通2〜3週間で歩行訓練が開始できますが、骨折部が粉砕されていたり、骨がきわめてもろい場合には遅らせざるをえません。
図2大腿骨転子部骨折(左)と金属による内固定術(右)

3上腕骨頸部骨折
転倒して肘をついたり、肩を打撲することにより発生します。骨のつきはよいところですので、お年よりでは手術することは稀ですが、変形して治ったり、関節が固くなったりして肩の動きが悪くなることがよくあります。ギブス固定も行われますが、弾力包帯と絆創膏を用いて腕を体に固定する方法がよく行われます。
肩関節は固まりやすく、動きが悪くなりやすいので、骨折のつき具合をみて、早めに動かす訓練を開始する必要があります。
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